G.C FACTORY編集部

M&A

クリニックM&Aにおける譲渡価格の考え方

目次

✓はじめに

✓M&Aの譲渡価格算出方法

✓クリニックM&Aにおける譲渡価格の考え方

✓まとめ

 

 

はじめに

 クリニックM&Aを検討する際、譲渡価格設定は最も関心のある事項のひとつです。当然、売り手はできるだけ高く売りたい、買い手はできるだけ安く買いたいと考えます。価格設定は、売り手が検討するところから始まることが多いですが、その妥当性を把握するためにも売り手、買い手の双方がクリニックの譲渡価格についての算出方法や相場を理解しておく必要があります。本稿では、通常のM&AからクリニックM&Aの譲渡価格の考え方までをまとめました。M&Aをご検討される際の一助になれば幸いです。

 

 

M&Aの譲渡価格算出方法

M&Aの譲渡価格算出方法は大きく3つ(⑴コストアプローチ ⑵インカムアプローチ ⑶マーケットアプローチ)に分類されます。状況によって適切な方法は変わるため、適宜選択することが大切です。

 

コストアプローチは、対象となるクリニックの現在における価値をもとに譲渡価格を算出する方法です。簿価純資産額(=貸借対照表上の純資産額)をもとに算出する簿価純資産価格法と、時価純資産額をもとに算出する時価純資産価額法に分かれます。コストアプローチは現時点の純資産額のみを考慮することから、将来の利益が加味されないことが欠点として挙げられます。将来的に成長が期待されるクリニックの場合、コストアプローチでは適正な価格算出ができません。また、帳簿価額も適正でないことや、譲渡時点のBSの理解に齟齬が生じることなどが多くあるため留意する必要があります。

 

インカムアプローチは、対象となるクリニックから将来得られる利益をもとに譲渡価格を算出する方法です。代表的な方法としてDCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)などがあります。この方法は、株式会社のM&Aでよく利用されますが、経営の主たる要素である院長が退任することが多いクリニックM&Aにおいてはほとんど使用されないです。

 

マーケットアプローチは、市場で成立する価格をもとに譲渡価格を算出する方法で市場株価法、類似会社比準法に分かれます。市場株価法は上場している株価をもとに算出するため証券取引所に上場している企業のみが採用可能な方法です。類似会社比準法は対象となる企業と類似する上場企業の株価をもとに価格を算出する方法です。こちらの方法もクリニックで使用をされることは少ないですが、実績豊富なM&A仲介会社ですと、類似案件の経験があることが多いです。そういった類似事例の成約対価を参考に聞いてみると、価格算定の妥当性を計る要素となります。

 

 

クリニックM&Aにおける譲渡価格の考え方

クリニックM&Aでは、時価純資産額に営業権を上乗せして算出した金額が譲渡価格の目安となることが多いです。

 

時価純資産額を算定するためには、資産を時価算定するだけではなく簿外債務も認識し資産から控除する必要があります。簿外債務は、帳簿に計上されていない未払給与、未払賞与、退職債務、リース債務などが主なものとして挙げられます。簿外債務は、価格に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

営業権とは、クリニックの超過収益力を表す無形資産です。会計用語では「のれん」とも表現されます。営業権は、クリニックの正常収益額から営業用資産に期待利率を乗じた金額を控除した金額を超過収益額(=正常収益額―営業用資産×期待利益率)として、1~3年分の超過収益を加味して算定します。正常収益額は、営業利益額をスタートとして減価償却費、オーナーコストなどを足し戻し、役員報酬(法人の場合)、院長報酬(個人の場合)などを適正額に置きなおして算定します。

 

 

まとめ

本稿では、クリニックM&Aにおける譲渡価格の考え方について記載しました。M&Aは通常、人生において何度も経験することではありません。初めてのM&Aで適正に譲渡価格を算出することは、かなりハードルが高いと言えます。適正な価格設定をするためにも、まずは沢山の事例をもつ専門家に相談することが大切です。

 

弊社では、簡易的な譲渡価格算定を無料で行っています。またM&Aのご相談についても無料で承っております。クリニックM&Aに精通した専門家が誠実に対応させていただきますので、お気軽にご相談ください。

 

 

G.C FACTORY コンサルタント 飯田光