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2020.09.14

皮膚科の開業を検討している方へ。資金や開業ポイント、事例に関して

目次:
1.序文
2.皮膚科の開業資金・平均年収に関して
3.皮膚科の開業ポイント
4.実際にうまくいった医師の成功事例
5.まとめ

 

1.序文

医療機関の開業と一口に言っても、診療科目によって必要な投資予算や収益モデルも変わってきます。本稿では「皮膚科」について、開業資金・年収・開業のポイント・事例の記載をします。

 

2.皮膚科の開業資金・平均年収に関して

①開業資金に関して
以下は、皮膚科クリニックの投資予算のサンプルです。

皮膚科 開業投資予算 サンプル

(C)株式会社G.C FACTORY調べ

※医師会入会費に関しては地域差があるのと、医師会に入らない先生もいるので外しています。
※各医療機器の価格はあくまでも参考価格となり、実際は購入のタイミングやメーカーの選定によって変動します。

 

前提条件を「テナント開業」「30坪(坪単価12,000円)」「医師1名」「軽い手術あり」と仮置きして作成をしています。皮膚科はまず、美容皮膚科にどれくらい注力するかによって機械の構成や内装の雰囲気が変わり、それに伴い投資予算が大きく変わってきます。今回は保険診療を中心にした場合の投資予算を作成しました。ちなみに実際には皮膚科、美容皮膚科に関して、そのバランスが100:0で分かれるというよりそのバランスは様々であり、両方を行っている先生が多くいます。

 

②平均年収に関して
次に平均年収に関してです。まず、統計データでは、皮膚科の平均年収は約2,710万円(※1)となっています。ただし、こちらは統計値に過ぎないという点があり、皮膚科の場合は美容皮膚科をどこまで行うかによって収益も変わってきます。そして、美容皮膚科は価格を自身で設定するため、美容皮膚科の集患がうまくいった場合、所得は大きく跳ね上がることとなります。保険診療のみの皮膚科の場合、皮膚科は平均単価が約3,945円と全診療科目平均の6,866円を下回っています(※2)。このことから皮膚科で所得を確保するには多くの患者数を診る必要があると言えます。

出展:
※1…中央社会保険医療協議会「第22回医療経済実態調査 (医療機関等調査)報告-令和元年実施- p.149~151」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/jittaityousa/dl/22_houkoku_iryoukikan.pdf

※2…社会保険診療報酬支払基金「統計月報(2020年5月診療分)」
https://www.ssk.or.jp/tokeijoho/geppo/geppo_r02.html

 

 

3.皮膚科の開業のポイント

次に、各開業工程におけるポイントを記載します。

①立地の選定

● 保険診療メインの場合は視認性が高く、上記の通り単価が安い診療科目になるので、患者数をたくさん診られるように受付や待合室は広めに確保をしたほうが良いです

● 美容の割合が多くなってくる場合はWEBマーケティングでの集患割合が多くなることから駅からのアクセスが重要となります。

②内装

● 当然皮膚疾患の方が多いので、入口は自動ドア、スリッパではなく靴のまま入るというような、患者さんがクリニック備品に触れないで済む対応が必要です。

● 美容皮膚科が無い場合でもパウダールームがあると喜ばれます。またここでのアメニティに力をいれると高評価になります。

● 診察室、処置室には当然スタッフが使用できる手洗い場がある必要があります。

● レントゲンや大掛かりな検査室は不要なため、30坪ほどでも開業可能です。

● 治療の際に脱衣をすることが考えられるため、誤って開けてしまったりしても大丈夫なように扉の内側にカーテンをつけたりすることもあります。

● また患部を見るため、照明は明るくするか、無影灯を設置することもあります。

● 女性の水虫などの会話の声が漏れないように、防音やBGMなどに配慮が必要です。

③採用

● 保険診療の皮膚科の場合は、通常の内科のクリニックのように医療事務と看護師を採用します。

● 看護助手を雇用しているクリニックもいます。

● 一部美容の機器を置く場合は、福利厚生でスタッフへの施術を実施すると応募が増えます。

④マーケティング

● 患者の年齢層は多岐に渡るので、看板やチラシなどに加えてWEB広告が有効な診療科目です。

● あざやほくろなど、自費診療と思われがちな診療について「保険によっても可能であること」を遡及していくことを意識してマーケティングをすることが有効です。

⑤その他

● 形成外科、アレルギー科などを一緒に標ぼうするケースも多いです。

 

 

4.実際にうまくいった医師の成功事例

以下に、特徴的な方法によって皮膚科として成功されている先生の事例を記載します。

①内科・皮膚科の組み合わせ開業で通年が繁忙期のクリニック

● 都心の駅近くのビルで開業。

● WEBマーケティングに力を入れて、ホームページにも保険診療で診られる対象疾患を詳細に説明。

● 皮膚科に加えて内科も標ぼうをし、広く患者さんを受け入れる。

● 皮膚科は夏も繁忙期となり、内科は秋~冬が繁忙期となる。閑散期が異なる診療科目と組み合わせることで年中安定した収益を見込むことができる

● 集患の季節変動を無くすことで人員体制の無駄(繁忙期に合わせて必要最大数を採用してしまい、閑散期も不必要な人件費を支払うこと)を省くことを可能としている。

 

5.まとめ

皮膚科に関しては美容への取り組みによって大きく戦略が変わります。近年は男性の美容意識も上がってきており、保険診療をメインに押し出すような形にしつつ、ニーズのある方に自費の処置を提供したりドクターコスメを販売したりする戦略を取る先生もいれば、内科やアレルギー科とのシナジーを取って成功している先生もいます。一般的には単価が低いため、患者さんの数を集めるマーケティングや自費や追加の診療科目を加えるような戦略が必要となる診療科目です。その一方で設備にかかる費用は少ない診療科目と言えますので、その分の資金をこういったマーケティングに注ぐ余地もあります。